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【2025/03/30 23:16 】 |
心霊捜査官静戒龍 序章~心霊捜査官
さて、昨日の記事で言っていた小説のリメイク。
こっから始めてきたいと思ったりします
では、ささやかな暇つぶしになればと……。
 


時は西暦2064年。
年号が戒安(かいあん)と変わってから十二年。
ようやく世の中も戒安元年に制定された法律に慣れてきてはいた。
その詳細は今回は差し控えるが、簡単に言ってしまえば国が心霊現象をはじめとする超自然現象を認めたということだ。
当然、呪殺しても殺人罪が適応され、それまでの脅迫などでは済まなくなっている。
そして、それらの捜査をするために設けられたのが心霊捜査官。
警視庁・警察庁両庁には勿論、宗教法人を管理する文部科学省。
寺や寺院などは歴史的価値があるためにそこの管理が任されている文化庁。
などなど……。
捜査官はかなりの人数いる。
しかし、その中でも、国が超自然的な力を認め、管理官とするのが国家霊能師。
実技・知識の国家試験があり、文字通り文武両道でなければならない。
それはつまり、所謂除霊などの際に危険が生じても自己責任であるということの裏付けでもある。
そして、ここ、警視庁にも数少ない国家霊能師の資格を持った男が。
が、しかし、慣れてきたといってもまだ十年ちょっと。当然その非科学的なものに反感を覚え、嫌っている人間もいるわけで……。
 
「――大村警部、また来ましたよ」
「来たって誰がだ?」
大村と呼ばれた男は中肉中背。歳は四十過ぎくらいだろうか。高そうなスーツの内ポケットからタバコを取り出しながら応えた。
「インチキ占い師ですよ」
声をかけてきた手塚は歳はまだ二十代だろう。短髪の髪に黒みがかった肌がスポーツマンらしさを演出している。
「ン?ああ、彼奴か……手塚、お前アレとは同期だろう。もう少し仲良くなれんのか?」
「無理ですね。そもそも、向こうは同期と言ってもエリート街道を上ってるヤツですし、俺は所詮刑事畑の二流以下ですから」
手塚はあからさまに嫌そうな顔つきで戸口に立っている男を睨むように見ながら応えた。
「オイオイ、それは俺への皮肉にも聞こえるぞ……いいから、相手をしてこい。俺はこっちの資料を片付けなきゃならんからな」
言うと、大村はタバコを咥えながら自分のデスクに戻りファイル状になっている捜査資料に目を通し始めた。
場所は警視庁刑事部捜査第一課強行犯係の室内だ。
何人かが事務用机に向かって資料を眺めたり、壁にある電子版の捜査状況を確認したりしている。
そんな中の窓際で話していた二人。
捜査一課強行犯係係長、大村 和義(おおむら かずよし)。同刑事、手塚 武(てづか たけし)だ。
「よぉ、手塚」
「何かご用でしょうか、静戒(せいかい)警部補殿」
嫌みたっぷりに上目遣いで応える手塚。
「そう邪険にするなよ」
話しながら入って来た男――静戒はそんな手塚の態度も慣れているだけか、はたまた諦めかは知らないが受け流すようにあしらうと大村の席に向かった。
男は静戒 龍(――りゅう)
元々は手塚同様に強行犯係の一員だったが、二年前の人事で異動になった。
現職配属は刑事部捜査一課超常現象対策室だ。
コレがつまり警視庁の超自然現象の捜査チーム。そして、静戒が先に挙げた国家霊能師の一人である。
静戒は元々入庁時からキャリアと呼ばれる第一種公務員試験を合格して入って来た。
本来ならば警視庁ではなく警察庁に入庁し、出世街道を歩きながらどこかの署長でも通過して警察庁の幹部候補と成っているはずなのだが、本人の意向により警視庁の地域課――つまりは交番勤務――から始め、一段ずつ階段を上ってきている。
しかし、元々キャリア組。一段ずつにしろ、その出世の階段を昇る早さは通常入庁した者よりも遙かに早い。
歳は二七歳。警部補の階級になるには、まぁ、普通に言ったら早過ぎるくらいだろう。
それが、キャリア故の出世だ。
もっとも、静戒の場合は大学生時代に既に国家霊能師の資格を取得していた。その功績もあってと言うのもあるかもしれない。
そして、その功績の賜が、二年前の異動――心霊捜査官となるきっかけと成ったのは言うまでもない。
 
「ご無沙汰しています。警部」
「そうだな。お前がこの部屋を出て行って以来だな。二年ぶりか……」
「そうですね。俺は何度か着ているんですけど警部はいつもいらっしゃらなくて」
「コレでも捜査で忙しいからな。お前と違って暇な部署じゃないんだよ……それで、静戒、今日は何のようだ?」
「そんなに迷惑そうにしないでくださいよ。俺だってホントは昼寝でもしてゆっくりしたいところなんですから」
ほとんど嫌みのような大村の言葉にも静戒は大したリアクションをせずにいる。
「それでも上から今強行犯で取り扱ってる事件が行き詰まってるから手伝ってやれって言われたら行かないわけにはいかないでしょ?取り敢えず、捜査資料、見せてくださいよ」
「悪いが、断る。お前も知っていると思うが、警察という組織は個々の縄張り争いが非常に激しい。いくら同じ捜一だと言っても、この部屋を出て行ったお前に資料は見せられん」
「そうですか?ならいいですけどね。俺も別にわざわざ自分から面倒ゴトに首突っ込む気はありませんから……けど、いいんですか、警部、俺は刑事部長に言われて来たんですけどねぇ……」
「部長がなんと言おうがこのヤマは俺達が捜査する。そもそも、事件が発生してからまだ三日だ。ドラマじゃあるまいし、そうそう簡単に解決できるか」
「ま、確かにそうですけどね……なら、日を改めますよ……では」
静戒はそう言うと捜査一課の部屋を出て行った。
「いやにあっさり退散しましたねぇ」
「コレでこっちは完全に悪者だな。刑事部長に呼び出される前に容疑者を挙げなければ面目がたたん」
「ええ、確かに……」
 
「さて、どうするかな」
一課を出た静戒は警視庁地下に向かっていた。
目的地は地下駐車場。
「取り敢えず、直に行っても無駄だったか。なら、もう一方だな……」
事件が起きた場所が警視庁の直接管轄内でないならその捜査本部は大抵の場合所轄署に置かれる。
静戒が言われた事件も当然その類で、発生場所などはニュースでも告知されているため、担当所轄署も判っていた。
「さて、行きますか」
フルフェイスのヘルメットをかぶると、誰に言うでもなく呟き、バイクに跨ると勢いよく発車した。
 
 
事件が発生してまだ三日。
当然、現場には立ち入り禁止の黄色いテープが張られ、その前には制服警官二名が立っていた。
静戒が向かったのは事件現場。
現場は新宿駅西口にある先主官(せんしゅかん)という雑居ビルだ。
「三日前ねぇ……三日で容疑者挙げて逮捕できりゃ苦労はねぇよな」
バイクを現場のすぐ横で停め降りながらつぶやく。
「ちょっとキミ、ダメだよこんな所にバイクを停めちゃあ。駐輪禁止とか以前にここは事件現場なんだから」
見張り役に立っている制服警官は静戒がバイクの鍵を抜いたのを見てそう言いながら近づいてきた。
「解ってるさ。だからここに置いたんだからな」
応えながらも歩みを進め、テープをくぐろうとする静戒。
「ちょっとキミ!」
もう一人の警官も静戒を制止しようと腕を取る。
「ああ、悪いな。忘れてた」
静戒は言うと上着の内ポケットから警察手帳を取り出し、中身を見せた。
「悪いな。本庁捜一の静戒だ。中、見せてもらうぜ」
「し、失礼しました!」
二人の警官は直立姿勢になると、敬礼をして強ばった顔を見せる。
「そう言うコトするなって。お前等所轄が俺達を嫌ってンのは知ってるからよぉ」
「そんな、滅相もありません!」
「いいからいいから。それより、所轄の責任者はどこにいるんだ?いるんだろ、現場に?」
「はい!すぐにお連れします」
「いや、いいわ。中にいるんだな?なら、勝手に見るかよぉ」
「はい!」
「一々めんどくせぇよなぁ……」
ビルの一番奥にあるエレベーターに向かって歩く静戒を警官二人は敬礼姿勢のまま見送った。
 
現場はビルの三階。
個人の弁護士事務所。自宅兼事務所として使っていたその部屋の主が被害者だ。
三日前の深夜、何者かによって殺されたらしい。
被害者の名前は遠藤 創(えんどう はじめ)三二歳。死因は頸動脈を斬られたコトが原因の出血死。
室内は、所謂密室状態で、内部から鍵がかかっていた。既に鑑識捜査も終わり、報道もされている事件なので、静戒にもその程度の情報は入っていたが、やはり警察のみが知っている情報は欲しい。
その為に管理補佐官をやっている大村を訪ねたのだが当てがはずれた。
「ま、別に大村さんには期待はしてなかったらいいけどな。どのみち、現場には行くつもりだったし」
エレベーターが三階まで上がるまでに静戒は鏡を見ながら呟いた。


取り敢えずはここまでです。
長さなどに対するコメントとかもいただけたら幸いです。
イラストとかキャラ画とか描いてくれる人いたら飛び跳ねて喜びます!

では、また次回。
もしくは、明日の記事で。
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【2011/05/13 17:20 】 | 小説 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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